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スタッフ・留学生の近況報告

2007.08.27
No.8 (2007.8) 留学生からの近況報告(砂堀克枝先生)

  

平成12年入局の砂堀克枝です。平成19年4月より、マサチューセッツ州ボストン市にあるBeth Israel Deaconess Medical Center (BIDMC), division of RheumatologyのGeorge.C.Tsokos先生のラボでポスドクとして働いています。

渡米してから約半年が過ぎ、英語の上達は今ひとつですが、ラボの人達にも助けられ、何とか無事に過ごしています。

ボストン及びその近郊の都市には、ピルグリムの入植や独立戦争など、アメリカ建国時の出来事を記念する歴史的建造物やモニュメントが多く存在し、レンガ造りの古びた建物も多く、アメリカというよりはイギリス的な雰囲気を感じます。学園都市で学生が多く集まるため、平均年齢は31歳とか。日本からの留学生も多く、日本の食材などは大抵手に入れることが出来ます。

先日岡山大学出身者のBBQ会が開催され、3内から留学されている杉本光先生、岡田震一先生他、他の医局の先生方にも多数お会いする機会があり、大変心強く感じました(残念ながら江口先生ご夫妻は欠席されていたためお会いできませんでしたが、渡米直後に生活のセットアップのこと等で色々相談にのって頂きました)。

今年は特に、松坂選手、岡島選手の活躍もありホームチームのレッドソックスが絶好調で、街中で日本語を見かける機会も結構あります。夏のボストンは、以前に留学されていた四方賢一先生や前島先生に伺っていたように、日本の40℃を超える気温が想像出来ないくらい過ごしやすいです。日も長く、夜8時くらいでもまだ明るいため、徒歩での通勤も特別身の危険を感じることもありません。もっとも、私はまだボストンの-20℃にいたる事もあるという厳しい冬を経験しておりませんので、中国地方から脱出したことのなかった私にはつらい経験となるかもしれません。

もともと留学志向のなかった私ですが、平成18年春にサンタフェで行われたClinical Immunology Society主催の自己免疫疾患セミナーに参加し日本での研究を発表した際に、議長であるTsokos先生にお会いする機会があり、このことが縁で、この度の留学の運びとなりました。Tsokos先生はSLEについての教科書やレビューなども多数執筆されている有名な先生で、出身地はギリシャです。とても気さくで陽気な先生で、大変親日家でもあります。一日に一回はラボに顔を出され、全研究員に挨拶をするのが日課ですが、私にはいつも片言の日本語で「おはようございます」と挨拶されます。ラボの面々も中国人が約半数、その他台湾人、インド人、ルーマニア人、メキシコ人、ギリシャ人と多彩です。自分のデータのプレゼンや、論文の抄読会などではみな活発に議論に参加し、各々の博識ぶりを目の当たりにするにつけ、自分の勉強不足と英語力のなさを痛感しています。もう少し議論に参加出来るように研鑽を積みたいと思います。

日本では関節リウマチの研究に従事してまいりましたが、こちらではSLEにおいて発現の亢進しているPP2Acという酵素に関して、主にプロモーターの機能解析を行っています。ラボはロングウッドメディカルエリアの一画のHarvard Institutes of Medicine (HIM) という建物にありますが、来年の秋には現在建築中の近接する新しいラボ棟に移ることもあり、最新鋭のリアルタイムの機械など新しい機材も多数購入予定で、ラボも活気付いているように思います。

今年はアメリカリウマチ学会もボストンで開催されます。お近くにお寄りの際は連絡頂きましたら、拙いながら観光ガイドをさせて頂きます。以上取り留めのなく書き綴ってしまいましたが、近況報告とさせて頂きます。

写真左 ロングウッドメディカルエリアの中心にある、Harvard Medical Schoolの前で。週に一回の免疫学の特別講義もこの建物の中で行われます。

写真中 ラボでボスのTsokos先生と。

写真右 岡山大学出身者によるBBQ会。岡田先生、杉山先生も参加されています。