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スタッフ・留学生の近況報告

2018.03.21
No.50 (2018.3) 留学生の近況報告(勝山E先生)

みなさま御無沙汰しております。H19年卒、免疫班の勝山恵理です。日本を離れて早くも半年がたとうとしておりますが、この辺りで近況報告をさせていただこうかと思います。留学なんて―と思う方にも面白そうだと思ってもらえたら幸いです。2017年9月よりボストンのべスイスラエル・ディコネス・メディカルセンターに留学し、主人の勝山Tと同じラボでSLEについて研究しています。こちらはいたって普通の一部屋の家賃が20-30万/月、デイケア(保育園)代が一人20万-40万/月と目玉が飛び出る価格であることを除けばとても住みやすく、良いところです。大きな木々や公園には歩いているだけで癒されますし、人も優しく、夜中も一人で歩けるほど安全です。5歳の長男は初日から部屋に入ったとたん親を振り返りもしないほど幼稚園に夢中で、2歳の長女もデイケアでひょうきんに振る舞い人気を得ているようです。

我々親も生活のやりくりに何とか慣れてきました。ラボでお互い業務連絡をしながらお迎えに行き、お弁当を交互に作り、土曜の朝市で1週間の野菜と果物を安く買い込んで節約するなどリズムもあってきたように思います。メンバーは少ないですが、日本人の共働きの会というものが時々開かれ、そこで生活のコツ、仕事のこと、英語上達の話などができるのも大きな情報源になっています。共働きあるある話に花を咲かせ、夫が失言しようものなら妻達の冷たい視線が飛ぶという、少々男性には肩身の狭い会かもしれませんが。

仕事に関しては、ボスもその他のメンバーも温厚で、良い雰囲気にとても助けられています。また、同じプロジェクトを手分けしているスペイン人のアベルは実験が非常にはやくて器用、かつたくさんの手の抜き方を知っているので日々目から鱗です。彼からできるだけ多くを学んで日本でシェア出来たらと思っています。お互い日本語とスペイン語(大体悪口)を教えあいながら、笑いの絶えない研究生活をしています。

思うようにいかずイライラしたり焦ることも度々ありますが、貴重なこちらでの生活がネガティブな感情に支配されないように、主人(勝山T)ともときどきゆっくり話し合ってお互い励ましあっています。数か月ごとに岡山から義理のお母様にもお手伝いに長期滞在していただけるので、その間はお弁当、送り迎えなどがぐっと楽になり非常に感謝しています。現在2度目の来ボストン中ですが、ずいぶん手慣れたようで、洗濯場でのご近所さんとのsmall talkも楽しんでみたりしているようです。普段はお義母さんのためにビールのストックを切らさないようにすることくらいしかできませんが、囲碁、演奏会などのイベントも盛り込み、お世話だけではない生活にして差し上げたいと思います。

海外留学は、金銭面も含め負担も多い一方、劇的な環境変化を体験し、研究に集中する時間をもてます。その間臨床で失うものがあっても、基礎の知識が帰国後の臨床にまた違った視点を与えてくれると思います。こちらのPhDの方は一定期間後、製薬会社に入ることも多いようです。(金銭的理由も大きいようですが、)基礎研究には時間がかかることはわかっていても、どのように今生きている人に還元できるのかを実感したいという気持ちはとても共感できますし、臨床に直接携わりモチベーションが保てる我々はその意味で恵まれていると思います。

私自身はどんな形であれ英語圏に住んでみたいと思っていましたので、このように研究留学ができたことをとても幸運だと思っています。この先どうなるのか不安でもありますが、すでに一仕事終えて日本に帰っていくボストンの先輩方はとても清々しく、我々後輩を心から応援してくれながら去っていきます。今は自信のない自分も、そんな風に帰るまでには慣れたらいいなと思います。

みなさま日々仕事に生活に忙しいと思いますが、何か気合いがいる時に、そして自分を鼓舞するためにも我らが同僚、アベルから教わった「echale huevos (エチャレ・ウェボス)!!!」の言葉をシェアしたいと思います。日本で広めるよう命を受けておりますが、そんなに上品な言葉ではないので、google translationで訳さないようにしてくださいね。

それではまたみなさまにお会いできる日を楽しみにしています!