免疫班の森下です。中四国もようやく梅雨入りとなりました。6月11~15日にかけて、湿気とは縁遠いスペインの地で開催された欧州リウマチ学会議(EULAR2019)に参加してきましたのでご報告します。

私は海外学会が初で、不慣れな準備の結果空港の荷物検査にひっかかる事態となり(デジカメの内蔵バッテリーを外に出していたのが原因)、早々に恥ずかしい思いをしましたが、同行の林先生・大橋先生・佐田先生から生温かい目でトランク確認の顛末を見守っていただき、何とか出発できました。経由地ミュンヘンでは雷雨のため機内で1時間以上足止めされることになり、真夜中にホテルに着くなり疲労が押し寄せ、初日が終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

12日は学会が午後からだったため、午前に済生会病院の平田先生・廣瀬先生と合流し、プラド美術館へ足を運びました。マップを片手に大急ぎで館内を回りましたが、ゴヤの裸/着衣のマハ、ベラスケスのラスメニーナス、グレコやボスの作品等、多くの名画を堪能できました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼食後は学会場で受付後、めいめい興味のあるブースに聴講に向かいました。会場全体が広いため皆せわしなく移動していましたが、そこここに立つ学会看板の「熊とイチゴ(山桃)の木」(マドリードの象徴)が目を和ませてくれていました。夜は山村先生も集合して、えびのアヒージョやタコ、子豚の丸焼きに舌鼓をうちました。スペインの料理店ではとにかく芋がたくさん出てきますので注意が必要です(メニューになくても付け合わせにあったりします)。

 

 

 

 

 

 

 

スペインは治安に注意との事前情報でみな手荷物には気を配っていましたが、佐田先生の学会参加証が消え失せるというまさかの事件がおこりました。結局モノは出てこず、多額の支払いによる参加証再発行のうえ、学会参加継続とあいなりました。

13日(水)は長崎大学病院の一瀬先生・岡本先生とともに、会場の一角でSkype会議を行いました。いま取り組んでいる臨床研究で‘SLE患者の疾患レジストリー構築(LUNA)’という多施設共同研究があり、長崎大もメンバーの一員です。現在は各施設でLUNAにもとづく研究テーマを出しあっている最中で、実現可能なより良い研究デザインを練り上げるため、長崎―岡山―マドリードをつないで熱いディスカッションを行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学会二日目は林先生・大橋先生のポスター発表もあり、午後はポスターを見て回り、テーマや解析法、レイアウトの見せ方など、参考にすべきところを学びました。

夜は再び長崎大の先生方、さらにPMDAにご出向中の渡辺克枝先生やその同僚の薬剤師の先生方(吉村先生、八木先生)ともご一緒に、総勢9名での晩餐会となりました。荘厳な作りのレストランで2種類のパエリアを中心に美味しいワインも味わいました。21時前でもまだ明るく、サンミゲル市場へ移動しスペインの夜を楽しみました。日中は終日学会に参加しあまり歩いてないつもりでしたが、この日は1万8千歩と、行程中一番の歩数が計測されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14日はあまり時間に余裕がなく、マヨール広場を抜けて王宮(Palacio Real de Madrid)へ行き、お土産を買い足して帰途につきました。王宮はさすがどの部屋も煌びやかで、音声ガイドを聞きながら興味深く見て回ることができました。最後に空港の〇ックでご当地バーガーを食べ、スペインをあとにしました。日付をまたいで15日、羽田でお寿司を食べ、ようやく人心地つきました。

 

今回スペインに着いてからは終始天候に恵まれ、観光名所へは歩いての移動ができ、マドリードの雰囲気を肌で感じられる旅となりました。また新しい知見を得るだけでなく、海外学会の活気にも触れられるよい経験ができ、来年以降も積極的に参加ができればと考えているところです。
長くなりましたがこれでEULAR2019報告記を終えたいと思います。

免疫班 森下美智子