研究グループ紹介
内分泌グループ
-診療-
当グループは乳腺・内分泌外科と合同で2006年に内分泌センターを開設し活動しています。中四国を中心とした医療機関や岡山大学病院内他科から多種多様な症例をご紹介頂き、地域医療機関、院内他科(乳腺・内分泌外科、脳神経外科、泌尿器科、肝胆膵外科、産婦人科、小児科、腫瘍センター、放射線科、臨床遺伝子診療科など)との連携・協力の下、広く内分泌領域全般の診療を行っています(表1、表2)。
本邦の指定難病に該当する希少内分泌疾患(腫瘍性低リン血症性骨軟化症、先天性副腎皮質過形成、先端巨大症、TSH不適切分泌症候群、汎下垂体機能低下症、中枢性尿崩症など)についても数多く診療しています(2018年度延べ指定難病算定件数577件)。
中四国有数の内分泌専門施設として遺伝性内分泌疾患の診療も多く、特に多発性内分泌腫瘍症(MEN)、フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)、遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ症候群(HPPS)などの遺伝性内分泌腫瘍症候群については現在も50人以上の患者さんが外来に通院され、当科が中心となり臨床遺伝診療科や関連他科と連携しながら診療を行っています。
-研究-
当グループでは基礎研究として、下垂体、副腎皮質・髄質、卵巣モデル細胞などを用いて、1)内分泌臓器内の局所因子が及ぼす全身内分泌系への影響、2)種々の循環因子による新たなホルモン産生調整機構の解明、などに関する研究を行っています。また、臨床研究として、原発性アルドステロン症や副甲状腺疾患などの代表的内分泌疾患に関する観察研究や多彩な臨床像を呈する希少疾患の病態解明を行い、その成果を学会等で精力的に発表しています。
-教育-
内分泌内科は、作用臓器を全身に持つという内分泌系の特徴から「全身を診る科」であり、複雑で希少な病態を理解するために「高度な専門性と豊かな経験を要求される科」でもあります。また内分泌診療には複数科のエキスパートが協力して「チーム医療を実践する場」としての魅力があります。岡山大学病院にはそれを適える関連他科の専門家が揃っており、内分泌と関連が深い腎臓、免疫、糖尿病(代謝)、血管・高血圧の専門医とともに集う当科内分泌グループは内分泌を学ぶのに適した環境にあり、数多くの専門医がここから誕生し、さまざまな医療機関で活躍しています。
(責任者:稲垣 兼一)