スタッフ・留学生の近況報告
写真:凍ったチャールズリバーとボストンのダウンタウン(2007年1月)
平成10年入局の江口潤です。平成17年8月より、マサチューセッツ州ボストン市にあるBeth Israel Deaconess Medical Center (BIDMC), division of endocrinologyのEvan Rosen先生のラボでポスドクとして働いています。渡米してから早いもので一年半が経ちました。これで2回目のボストンの冬をむかえていますが、幸いなことに、ここ2年は暖冬だそうで、未だ本当のボストンの冬の厳しさを知りません。
ボストンには、ラボこそ違いますが、過去に四方賢一先生、前島先生、佐藤稔先生が留学されておられましたし、現在も杉本光先生、岡田震一先生が留学されていますので、第三内科にとっては馴染みのある留学地の一つではないでしょうか。
私のいるラボは、BIDMC本体やジョスリン糖尿病センター等が集まっているメディカルエリアと呼ばれる地区からは離れていて、ボストンレッドソックスの本拠地フェンウェイパークの斜め前という素晴らしい場所に位置しています。とは言え、球場の収容人員が少ないのと、異常な人気のため、なかなかチケットはとれません。
私の所属しているdivision of endocrinologyには、Barbara Kahn、Jeff Flierといった有名な教授も属していて、2週間に一回division合同で各ラボのポスドクが研究のデータを発表するミーティングを行っており、同じdivision内の他のラボとの交流も盛んです。私のボスでありますEvanは、かの有名なBruce SpiegelmanのラボでPPARgの研究を行い4年前に独立した比較的若い新進気鋭のPIです。Evanは温厚で陽気な人で、研究のアイデアも豊富です。うちのラボでは主に、脂肪細胞分化に関与する転写因子の研究を行っています。
現在私は、転写因子に関連した4つの異なるプロジェクトを同時に行っています。その内3つはトランスジェニックマウスやノックインマウスを作るところから始めたので結果が出るまでには、まだ時間がかかると思いますが、もう一つのプロジェクトについては主に培養細胞の実験なので、ようやく今週中に論文を投稿できそうです。少なくとも私の研究分野ではここボストンは、世界でも有数の研究者が密集している場所の一つなので有名な研究者のセミナーも毎週のように行われ、また実際MIT等他の研究機関との共同研究もしており、非常に刺激のある毎日を送っています。
以上で近況報告とさせていただきたいと思います。